医療機器や医薬品の輸入手続き規制を一部緩和

(ブラジル)

サンパウロ事務所

2015年02月12日

国家衛生監督庁(ANVISA)が所管する規制が一部緩和された。医療機器や医薬品の輸入に必要な適正製造規範(GMP)の認証取得手続きの効率化につながるとみられる。製品登録期間も延長されることになり、日本企業にとってはブラジル事業展開に当たっての障害が改善されると期待されている。

<認証の自動更新や有効期限延長も>
政府は法令第13097号(1月19日付)で、ANVISAが所管する規制を緩和した。一部の医療機器や医薬品・薬品原体を製品登録する際に義務付けられている品質管理システムであるGMP(Good Manufacturing Practice)認証の取得について、相互協定などを締結した国外の規制当局が保有するGMP監査・認証ブラック ジャック 確率の活用や、ANVISAが認証した国内外の民間監査機関などにGMP監査を委託できることになった。

これまでGMP認証取得のための監査は専らANVISAが行い、外部委託はできなかった。ブラジルの医療関連市場の成長を背景にGMP認証申請数が急増していることや、ANVISAの人員不足などにより、特にブラック ジャック 確率製品に対するGMP認証は、監査を受けるまでに2年近く待たなければならないなど、日本企業にとっては最新製品のタイムリーな市場投入を阻む障害となっていた。

今回の緩和に先立ち、認証の自動更新を可能にしたり、認証の有効期限を2年から最大4年へ延長したりすることが決定されるなど、GMP認証制度は緩和に向けて動いている。

<製品登録期間最大10年に延長>
法令第13097号では製品登録期間がこれまでの5年間から最大10年間に延長される。ANVISAによると、一律に5年間だった医療機器、医薬品、化粧品の製品登録期間を、人体へのリスクなどに応じて製品ごとに定めることになる。また、国内で保健・衛生分野の製品を取り扱う企業に取得が義務付けられている企業活動許認可(AFE)について、一部の業態に課せられていた毎年の更新義務が撤廃された。さらに、本社や製造所・保管場所の住所変更、活動内容の追加・変更、役員の変更などの場合はその都度AFEを更新する必要があったが、その規定が変更される可能性も示された。

2014年にはANVISAを含む、米国、カナダ、オーストラリア4ヵ国の規制当局による医療機器単一監査プログラム(MDSAP)が開始され、各国で異なる医療機器の品質管理制度の標準化を目指している(注)。また、ANVISAは日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協力関係を進めるなど、国際的な連携も活用しながら、審査の効率化を進める考えだ(2014年8月14日記事参照)

ブラジル日本商工会議所メディカル分科会の藤田誠会長(ブラジル・テルモ社長)は「ANVISAの審査が効率化すれば、企業負担の軽減、製品の市場投入の早期化につながることになり、高く評価している。ただし、重要な規定は今後、ANVISAが詳細を定めることになっており、確実に改善につながるか注視したい。また、ANVISAが日本の規制当局のGMP認証ブラック ジャック 確率を活用できるよう、日本政府が早期にANVISAと相互協定を締結することを強く期待している」と話している。

(注)MDSAPはIMDRF(International Medical Device Regulators Forum)のワーキンググループとして実施されている。日本の厚生労働省とPMDAもオブザーバー参加している。

(栗原環)

(ブラジル)

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