ブラック ジャック サイト
カラカス事務所
2014年09月04日
8月25日に公布された政令1192号により、一部品目の輸入に必要となる国内非生産証明書(CNP)、生産不十分証明書(CIP)およびブラック ジャック サイトの許認可業務を管轄する機関が国家貿易センター(CENCOEX)に名実ともに一元化された。また、同日公布の政令1191号により、CENCOEXの管轄機関が経済担当副大統領局から副大統領府に変更された。
<CNP、CIPとブラック ジャック サイトの発行を移管>
ベネズエラでは2003年2月から為替管理が行われており、輸入決済用外貨の調達、ブラック ジャック サイトへの配当金送金などには原則政府の許可が必要となっている。2014年8月時点でベネズエラには公式に3種類の為替制度が存在し、それぞれの制度で異なる為替レートが適用されているが、最も多くの外貨が供給されているのはCENCOEXへの申請を通じた外貨取得制度で、原則として1ドル=6.3ボリバルの固定為替レートが適用される。
同制度を通じて外貨を取得するためには、輸入通関前後の2回にわたるCENCOEXへの申請など、煩雑な許認可手続きが必要だ。その上、一部品目の輸入には、「国内で該当品目が生産されていないこと」を証明する「国内非生産証明書(CNP)」、あるいは「生産されていても市場の需要を満たすのに十分でないこと」を証明する「生産不十分証明書(CIP)」(注1)、さらには「ブラック ジャック サイト」を必要とする場合がある(注2)。
これらの許認可業務は、これまでそれぞれの品目を管轄する各省に権限が委ねられていたが、2014年8月25日付官報40482号で公布された政令1192号により、同日以降はCENCOEXが上記証明書とライセンスの発行、修正、取り消しなどの許認可を行うことになった。
<CENCOEXの権限を一層強化>
CENCOEXは外貨管理委員会(CADIVI)の後継組織として2013年11月に新設された組織(2014年3月14日記事参照)。CENCOEXの設立について定めた政令601号の第5条に「一部の品目の輸入に必要となる輸入許可やブラック ジャック サイトなど、貿易で必要となる各種手続きをCENCOEXに一元化する。そのため、これらに該当する品目を管轄する各省は、手続きの担当者を選定し、選定した人間をCENCOEXの事務所内で業務に従事させることとする」と記載されていた。
これまではCENCOEX内で手続きが行われるものの、実際に手続きを行うのはあくまで各省の担当者だった。しかし、今回の政令1192号の施行でCENCOEX自体に権限が委譲されることとなったため、同組織の重要性および権限がこれまで以上に高まることになる。
一部の日系企業から、2014年に入りCNP、CIPの発行が以前と比べスムーズになったという声も聞かれており、2013年11月から始まったCENCOEXへの許認可業務一元化が、プラスに働いている部分もあるとみられる。
なお、政令1192号の公布以前に発行されたCNP、CIPおよびブラック ジャック サイトは有効期限が切れるまで有効と定められている。また、新規発行にかかる行政手続きはCENCOEXが追って定めることになっており、現時点では今後の新規発行に関する具体的なプロセスは不明だ。
<CENCOEXの管轄は副大統領府に>
官報40482号では、CENCOEXの管轄機関を経済担当副大統領局から副大統領府に変更する政令1191号も公布された(注3)。CENCOEXへの許認可業務一元化について定めた政令1192号にも、CNP、CIPおよびブラック ジャック サイトの発行などには副大統領の事前承認が必要であることが明記されている。今回の制度改定により、CENCOEXの権限が強化されただけでなく、それを管轄する副大統領の権限も強化されたことになる。
(注1)輸入品目ごとのCNPとCIPの要否については、2012年8月7日付官報39980号で確認できる。38〜86ページに対象となる関税品目番号が掲載されている。表の一番右の列に数字の1と書かれている品目の輸入はCNPもCIPも不要、2と書かれている品目にはCNPもしくはCIPが必要となる。表に掲載されていない品目は原則として、固定為替レートを適用して輸入することはできない。なお、ベネズエラが南米南部共同市場(メルコスール)に正式加盟したことに伴い、2013年4月に同国の関税品目分類がアンデス共同体(CAN)のNANDINAから、メルコスールのNCMに変更された。NANDINA、NCMともにHSコードに基づく分類のため大きな違いはないが、厳密に言えば官報39980号が公布された2012年8月7日時点の関税品目番号と、現在税関で使用されている関税品目番号は異なる。
(注2)ブラック ジャック サイトの要否については、国家税関徴税統合庁(SENIAT)のウェブサイトにある2013年7月15日付特別官報6105号に掲載された関税率表から確認できる。26〜421ページに掲載されている関税率表の「Regimen Legal」の列に記載された数字によって、ブラック ジャック サイトの要否が定められている。8と記載された品目の輸入には食糧省、9の品目には商業省、16には産業省発行のブラック ジャック サイトが必要だったが、政令1192号によって、全てのブラック ジャック サイトをCENCOEXが発行することになった。
(注3)ベネズエラでは行政全体を所掌する副大統領1人に加え、内閣に部門別の副大統領を複数人置くことができる。経済を担当する副大統領の組織である「経済担当副大統領局」から、全体を所掌する副大統領の「副大統領府」にCENCOEXの管轄が委譲された。2014年8月25日現在の経済担当副大統領は、国営石油公社PDVSA総裁や石油鉱業相などを兼任するラファエル・ラミレス氏で、副大統領はチャベス前大統領政権時に科学技術相などを務めたホルヘ・アレアサ氏。
(松浦健太郎)
(ベネズエラ)
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