2016年までに法人税率を3ポイント引き下げ22%に−与野党、経済成長策に合意−

(デンマーク)

コペンハーゲン事務所

2013年05月14日

連立与党と野党4党は4月24日までに、企業競争力の向上や雇用創出を主眼とする経済成長計画案「成長案2.0」に合意した。2016年までに法人税率を現行の25%から22%に段階的に引き下げ、多角的な企業支援策などに今後6〜7年間にわたり総額750億デンマーク・クローネ(1クローネ=約17.7円)を投入する予定だ。

<総額750億クローネを投入>
社会民主党、社会自由党、社会人民党の中道左派連立与党は、政府が2月26日に発表した経済成長計画案に関し、2ヵ月間の協議を経て4月24日までに、野党の自由党、自由同盟、保守党と大枠について合意し、経済成長計画案の詳細をほぼ固めた。

「成長案2.0」と名付けられたこの案は、国内経済の安定を目的とし、今後6〜7年間にわたり750億クローネを充てるというもの。経済成長計画案の焦点は、デンマーク企業の競争力向上や成長支援を主眼としており、それにより雇用の創出を図り経済を立て直すという内容。自由党をはじめとした野党各党やデンマーク産業連盟など産業界からも広く受け入れられた。

同案で実施される具体策としては、次のようなものがある。

○法人税率の25%から22%への引き下げ。引き下げは、2016年まで段階的に実施する。
○エネルギー税負担の軽減。エネルギー節約税(CO2税)の廃止、エネルギー消費の多い企業への税負担軽減特別措置などを通して実施する。
○企業活動への資金面での支援。例えば、付加価値税(VAT)の支払い猶予期間の延長、スタートアップ企業や小規模企業などへの資金貸し付け。
○公共投資の拡大と地方自治体への20億クローネの特別予算配分(2014年実施)。社会保障関連施設など公共施設を改修。
○輸出支援と投資誘致。新規に輸出保証プログラムを導入、ビザ制度の見直しなどにより、高い能力を有する外国人労働者の受け入れ推進。
○2017〜2020年に実施する企業支援の枠組みの構築。

750億クローネの支出は段階的に行われる予定で、第1段階の170億クローネについて2014年の実施が予定されている。財源としては、失業手当の削減、公共部門の支出削減などで捻出される見込み。

(安岡美佳)

(デンマーク)

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