日本産輸入食品の検査対象品目を一部見直しへ−長野、青森、新潟県のキノコ類が検査対象に−
ブリュッセル事務所
2013年04月23日
EUの食品連鎖・動物衛生常設委員会(SCoFCAH)は2013年4月17日の会合で、日本産輸入食品に関して、放射線検査分析報告書が必要な対象品目および地域について見直すことで合意した。長野、青森、新潟県のキノコ類は、同報告書の添付が必要になる。欧州委員会は5月下旬にも改正規則案を正式に採択し、6月1日から発効する見通し。
<9都県のそば粉、レンコン、牛肉も対象に>
日本からの輸入食品規制に関して、2012年10月末の前回の見直し時点では、東日本大震災による原発事故後の第2収穫期のモニタリング検査結果が出ていなかったため、2013年3月中に中間見直しを実施する予定となっていた(2012年10月23日記事参照)。今回の見直しは、第2収穫期のモニタリング結果を踏まえたもの。
今回の見直しでは、放射線検査分析報告書の添付が必要な品目の変更が中心となっている。9都県(群馬県、茨城県、栃木県、宮城県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県および岩手県)からの食品・飼料は、放射線検査分析報告書の添付が必要だった品目のうち、梨、カリン、ホタテ貝などが対象外となる見通し。また、報告書が必要な品目に、そば粉、レンコン、牛肉が新たに加わる見込み。
さらに、対象地域についても見直され、長野県、青森県、新潟県からのキノコ類については、今後、放射線検査分析報告書が求められることになる。欧州委によると、2013年に入り、同3県のキノコから基準値を超える値が検出されたとのこと。一方、福島県からの食品・飼料については、引き続き全品目が検査対象となっている。
次回の見直しは、2013年の収穫期のモニタリング検査結果を基に、2014年3月末までに実施される予定。
今後の流れとしては、欧州委が5月下旬に改正規則案を正式に採択し、官報に掲載され、6月1日に発効する見込み。欧州委保健・消費者保護総局(SANCO)のフェルストラーテ氏によると、欧州委の採択は5月の第4週前後になりそうだという。
EUにおける日本からの食品・飼料の輸入額は、2億1,600万ユーロとEUの輸入総額の約0.4%。日本の対EU輸出額も輸出総額の約0.3%と、EU向けの食品・飼料の割合は非常に低い。EU市場に向けた日本産食品の輸出促進が課題となっている。
(小林華鶴)
(EU・日本)
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