輸入家電製品などにQRコード貼付を義務付け
タシケント発
2012年01月04日
一部の家電製品や事務用機器の輸入に当たって、2012年1月1日からQRコードの貼付が義務付けられた。密輸品の排除などが目的で、QRコードの作成・貼付は税関当局が無料で行うため、正規の手続きを経て取引している企業には朗報だ。他方、申請から貼付が完了するまでの倉庫費用は輸入者負担になり、申請のための事務手続きを含めて、新たなコスト負担を迫られることになる。今後、別の品目に対しても適用される可能性があり、注意が必要だ。
<家電製品と事務機器が対象>
家電製品や事務機器の輸入に当たっては、12年1月1日以降、通関の際に税関当局によるラベルの貼付が義務付けられることになった(ウズベキスタン閣僚会議決定第324号「特定消費財の輸入にかかる改善措置について」12月12日付)。
貼付の対象になるのは、調理機器やエアコン、洗濯機、テレビなどの家電製品と、ファクシミリやプリンター、コピー機などの事務機器で(表参照)、国内で販売することを目的として輸入されたもの(展示会出展やモニタリング調査を目的とした製品、個人使用を目的とした製品は対象外)。
ラベルの作成・貼付は税関当局が行い、その費用は国家税関委員会の予算で賄われる。貼付の手順は以下のとおり。
(1)輸入者は税関当局に対して、製品が国内に到着後15日以内に品目名と個数、輸入者ブラック ジャック サイトなどをまとめた申請書を提出する。
(2)税関当局は申請書を受理した後、1営業日以内に各地方の国家税関委員会に必要な枚数のラベル発給を要請する。
(3)(2)の依頼を受けて、ラベル発行を担当する部局は2営業日以内にラベルを作成する。
(4)ラベルは税関当局に返送され、その日のうちに貼付される。
(5)(1)〜(4)の作業の後、通関作業が行われる。
なお、11年中に輸入された製品は、12年7月1日までに売り切るのであれば貼付義務は免除される。
<保管料や事務経費の増加が懸念材料>
ラベル導入の最大の目的は、密輸品の排除だ。ある家電製品の正規ディーラーによると、正規に輸入されたものは市中に出回る家電製品の半分程度しかないという。このディーラーも、今回のラベル導入が市場の正常化につながるなら全面的に賛成だ、としている。
ただ、問題はコスト上昇と今後のほかの品目への拡大だ。国家税関委員会は、保税倉庫での保管料がかからない3日間で作業を行うとしているが、貨物到着後でなければ申請書を受け付けないため、到着後、3日間の留め置きはラベル貼付のためだけに費やされてしまう。また、申請手続きなどが遅れれば、その日数分だけ保管料がかかる。さらに輸入者側にとっては新たな書類の作成が必要になるため、事務作業の追加に伴う経費も発生する。
加えて、今回は前述の品目を対象とした12年10月までの試験導入だが、密輸が減り、正規通関する製品が増えれば、その分関税収入も増えることになるため、良い結果が得られれば、ほかの品目に広がることも懸念される。今後どのような広がりをみせるか注意が必要だ。
(末廣徹)
(ウズベキスタン)
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